いろいろ

1) 妻の暴言記録
a. 「(東北太平洋地震で危険なのに)早く出張してくれないかな」2011-3-18
b. 「隙があれば離婚を狙ってる」2011-3-20


2)ある一日
ある出張でお客様を訪問した後、呼んでもらったタクシーに乗り込んだ。
「(支払いは)カードで大丈夫ですか?」と私。
「はい、大丈夫ですよ」との運転手さんの言葉に私はタクシーに乗り込んだ。
運転手さんは地元の人で東京から出張できた私に興味があるらしく、
東京での積雪量や大都市ではご近所づきあいが希薄になっている事など、
道中に色々話をした。その運転手さんは生まれ育ったその町が大好きで
話していてその愛着の深さがとてもよく分かったので目的地の駅に
到着するころには私もその町が好きになっていた。


で、駅に到着して支払おうとクレジットカードを出したところ、
運転手さんが「あ、クレジットカードだったの?」と言った。
私が「はい、乗る時にカードで支払えるか確認したじゃないですか〜」
と言うと、運転手さんが「すみません、タクシーのクーポンチケットだと
思ってたよ」とのこと。


私は「じゃあ、メーター止めて近所のATMに行って下さい。現金を下ろして
お支払いしますので。」と伝えると、運転手さんは少し考え込んで
「ん〜、じゃあお支払いはいいです。」と言ったので私はビックリして
「えぇ〜?結構な料金(3千円以上だった)なのでお支払いします!
(車窓から遠くに見えている)マックスバリューでもATMがあると思う
ので連れて行ってください!」と私がお願いすると、運転手さんが
私にこう言った。


「お客さんはこの田舎町が気に入ったと言ってくれた。俺は
それが嬉しい。お客さんはまた出張でこの町に来るんだろう?
じゃあ、その時にまたタクシーを使ってよ」


そう笑顔で言ったかと思うと私とキャリーバッグをタクシーから
下ろして走り去った。


私は胸が熱くなった。
仕事を抜きにしても人情味溢れるこの町にまた来たいな、と思った。


2011年3月11日午後2時46分。
北太平洋地震が発生し、未曾有の大災害となった。
テレビで被害状況を見てあまりにビックリして息が止まりそうになった。


震度7 宮城県栗原市


その場所は生まれ育った場所が大好きなあのタクシー運転手さんに
乗せて行ってもらった東北新幹線の「くりこま高原駅」がある場所だった。


気付いたら涙が出ていた。
出来るだけ早く救援物資を持って行きたい。
あの時のタクシー代のお返しをしたい。